興味がなかった国

 いきなりですが、正直言って興味がない国がイギリスです。
 ロンドンでベビーシッターなんぞして半年間食い繋いだことがありますが、イギリス人の友達もほぼおらず、当時は彼らの英語も理解できず、食べ物も場所も、何一つお気に入りを見つけられずに大英帝国から去ったという過去があります。まぁ、そもそも訪れた理由がシェンゲン国に滞在後にまたシェンゲン国に再入国するためにイギリスに最低3ヶ月居なければいけなかったからなんですが。



 それから月日が経ち、英語力も幾分かましになって、この仕事に就いて、イギリス人と知り合う機会もできましたが、私を ”オォ!” と思わせるイギリス紳士/淑女との出会いもなく、よって、イギリスについては興味を持っていないままでした。



 しかし、そんな出会いはBS1の世界のドキュメンタリーを観ていた時に突然やってきました。
 それがこれ、ギャレス マローン先生。けっこうイケメン。(好青年過ぎていじめられっ子だったんじゃないかと思ってしまう。それがまたいい。)





 ギャレス先生は合唱の先生。犯罪がはびこる郊外の住民・ストレスだらけの職場・不良だらけの男子校などに出向き、みんなで歌おうよと呼びかけます。こう書くと簡単に聞こえますがノンノンノン、学校で毎年合唱をやってきた、カラオケ大好きな日本人とは全く違うんです。彼らはとにかく、歌わない。日本人から見ればいつも自分に自信満々でカッコ良くみえる西洋の方々ですが、人前で歌うことは、「下手だから、恥ずかしい。」「合唱なんてダサい。」と断固拒否する人が本当に本当に多いんです。ギャレス先生はそんな人たちを褒めて、その気にさせ、自信を持って歌えるところまで、独特のセンスで導いていきます。そうすると、スキンヘッドにタトゥーのいかついオッチャンも、不安な日々を送る軍人の妻たちも、笑わないマジメ外科医も、最後はみーんな、自分を解き放って、一瞬でも仲間と心を通い合わせられた幸せでいっぱいになります。



 イギリスには、 ”悪い奴・ルールを破る奴こそがカッコイイ” みたいなつっぱった風潮があるなと度々感じる(だから興味がないのかも?)のですが、本当は誰かと繋がって、誰かに認められたいんじゃないかなと、この番組を見たら思います。自己主張はさておき、ハーモニーを作る(=誰かに歩み寄る)体験の積み重ねが人間関係や社会を作るんじゃないですかね。(西洋の方々が日本へ来て感心することも結局そこ。)
 合唱好きに悪い人はいないです。合唱をしていた私は、涙なしでは見られない番組です。



 ギャレス先生の数々の番組の中で一番忘れられないのがこのビデオの最初の金髪少年。シングルマザーのお母さんが不安そうに見守っていますが、ひとたび歌い始めると、息子の堂々とした姿を見て誇らしそうです(涙)


 そんなギャレス先生の再放送情報は以下の通り!(BS1)
4月20日深夜(21日午前)0:00-0:50 http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/140515.html
4月21日深夜(21日午前)0:00-0:50 http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/140519.html
4月22日深夜(21日午前)0:00-0:50 http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/140520.html










 

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