ひつじ をめぐる冒険
読書は人間がベッドの上でおこなう快楽のうちの一つ
とは誰かの言ですが、
冬の間は布団の中でもぞもぞと本ばかり読んですごし、と思いきや
プルーストやマルケスを読むほど長くはない京都の冬は知らぬ間に終わっていた今日この頃ですが、みなさんはいかがおすごしでしょうか。
ジェイホッパーズ京都のかりー(しばた)です。
暖かくなって湧いてきた虫のように、いよいよ外出する老若男女が増え、
近ごろの鴨リバーサイド、それはそれは大賑わいです。
例に漏れずわたしにとってもようやく、書を捨てて町へ出る季節となりました。
ひつじ
という名前のドーナツ屋があります。
うさぎ、でもなく、きつね、でもなくどうして、ひつじ、なのかは知りませんが、
噂によると一口かじればほっぺも落ちる、泣く子も黙る、猿も木からすべる←なんかちがう
それはそれは絶品のドーナツ屋だそうです。
場所は、夷川(えびすがわ)通りのどこか。
我が家から夷川通りへ行くためには寺町二条を上がっていかなくてはいけません。
寺町二条は、南北に伸びる寺町通と、東西に伸びる二条通が交わり、京都市営地下鉄「京都市役所前」駅からも非常にアクセスの良い・・・
と言ってもなんだかよく分からないので、割愛。
要は京都に何本とあるなんでもない通りの一つです。
アビーロードでもミゲルストリートでもバージンロードでも、
お好みの道を思い浮かべてください。
なんでもない通りの一つではあるのですが、
その広い道の両脇には貫禄ある老舗店と個性的な新しいお店が並列し、
まるで留保された時空と通り過ぎる現代が待ち合わせしているような場所です。
カビの生えかかった仏教書とタルトタタンが共存しています。
そんな歪んだ時系列ストリートをしばし北上すると、左手頭上に突如として
「家具の街 夷川」
の看板が現れます。寺町二条から左にのびるこの通りが夷川通りです。
ここでは京都ブランドの家具屋が幅をきかせています。
残念ながらIKEAやFranc Francはありません。
ベッドや机やたんすに埋もれながら夷川通りを西へ進むとちゃんとありました。
ひつじ。
ひつじ。
見つからなかったら家具屋のベッドでひつじを数えながら昼寝でもしようと思いましたが、
あーよかったよかった。
このあと家へ帰って布団の上でドーナツをほおばりました。
寝具の上でおこなう快楽のもう一つ。
おしまい
ひつじが気になって眠れない方はこちらをどうぞ。
http://fingermarks.net/contents/monobook/003hituji/index.html
コメント
久々の「カリー節」を堪能しています。
画伯のほうも発揮して欲しかったでつ。