EXIT THROUGH THE GIFT SHOP

先日、出勤間際のゲリラ豪雨に打たれ・・・女優の坂井真紀さんの ♪ゲリラ♪ という歌を10年ぶりに思い出し、あれも一種のジョークだったのかなぁ~と思っているうちにジェイホッパーズにびしょぬれでたどり着いたminasyoです。

楽しみにしていた映画を観にいってきました。

開演の30分前には京都みなみ会館についたのですが整理券番号は39番。
さすがは注目作品の封切日もうみなみ会館の小さめのロビーはBanksyファンで埋め尽くされ「俺、ストリートとか好きだし」とか「アートとか詳しくないんですけど何か感じるんですよ」的なオーラが溢れてました。もっと気楽に観に来たらいいのにね。。。と思いながらおそらく僕も出してましたね(笑)

まぁ、一回目に人が集まるのは当然というか、前売りには特典でステッカーは付いてるし、初回上映来場者にはポスターのプレゼントがあるし、売店で限定品とか売ってるし。これが、コマーシャル効果?ロードショウならではの口コミや噂の力・前評判なんでしょうね・・・と、ネタフリしといてと。


「EXIT THROUGH THE GIFT SHOP」

アーティストといっていいのでしょうか?それとも・・・
「Banksy」というストリートアート界の有名人が監督したドキュメンターリー映画です。

「Wall and Piece」という作品集をたまたま手にし、夜な夜な街中に現れゲリラ的に繰り広げられるストリートアート(※もちろん違法なのが残念なとこですが・・・)や、博物館に勝手に作品を飾ったり(※たぶんこれもあかん・・・)なんかようわからん英雄でもなければ、最悪なヒールでもない要注意人物・Banksyの謎にせまれる映画で・・・・はないんです。

主人公はごく普通のおっさん・ティエリーは、LAで古着ショップを営むフランス人。お店は大繁盛で何の問題もないのですが、この人はどんどん普通じゃなくなるんです。ある日ビデオカメラを手にしストリートアートを記録に残すなかで、いつの間にか・・・うん、あれは勘違いですよ!!まったくの!!

映画の前半はティエリーの頑張り(?)や、ストリートアートの歴史やらなんやらを織り交ぜながらティエリーがドキュメンタリー映画を作っていくのですがこれがなんとも退屈で・・・正直寝ていました。「はっ」と気づいた時にはその映画は完成していてティエリーがイギリスのBanksyに見せに行く時でした。しかも自信満々で。

そして、Banksyの評価は・・・とても残念なものでした。彼には映像を作る才能がなかったのでしょう。おそらく本人には伝えられたなかったんでしょうが、「観るに耐えない・・・」ってな感じの感想でした。

どーりでこの映画の前半退屈なわけです。そんな映画のメイキング映像なんですから。Banksyはひょっとしてわざと観る人を退屈にさせ、がっかりさせ・・・このままの感じで映画が進んだらおそらく鑑賞後の感想は「まぁ、よかったんじゃない?・・・」「ぉ、俺はわかったよBanksyの伝えたいこと」的な開演前と同じオーラを感じたことでしょうが、ここからがかなりすごかった。

なんか全ての種明かしというか、完全にやられました・・・。

アート=ジョークなんでしょうか?
それてもアートだけではなくですべてがジョークなのか?

Banksyがティエリーに助言するんです。「(映像を作るのは止めて)アーティストになりなよ」とね(←おそらくこれもジョークです)
でも、誰でもそうですが大好きな人に言われると「神のお告げ」でも受けたかのように頑張っちゃうんですよね。例にもれず、Banksyに言われたティエリーはそれまでさんざん見てきたストリートアートの真似事をはじめ、ついにはL.A.で人生をかけた大きな展覧会をすることになるんです(←かなり間すっ飛ばしましたが・・・)。

でも、やるからには何とかして沢山の人に来てもらわないといけないわけですよ。
そこでティエリー・・あ、失礼、この時にはL.A.はそこそこ名の通ったアーティスト・MBWはBanksyに推薦文を依頼して、それを派手な広告アートにし、地元の新聞の注目を集め前評判を上げるわけです。
さ・ら・に、初日の来場者にはポスターをプレゼント!!

この辺でみなみ会館に来ていた人は「あれ??」って気づいたんじゃないんでしょうかね?
この映画はおそらく前評判に踊らされてここにいる僕らへ向けた皮肉交じりのジョークだったと・・・

まさかの大成功を収める展覧会・飛ぶように売れる関連商品・・・作品に値打ちが付くことにつられて上がるティエリーのアーティストとそての評判。そしてその評判が更なる値打ちにつながり・・・
「アンディー・ウォーホールの再来?」なんていわれたり(笑)
そして一夜にして名声を手にしたティエリー・・・いや、アーティスト・MBW。
まぁ、フォローするわけではないんですが彼はすごく素直ないい人だと思いますよ・・・おそらく。

そして、映画が終わり会場のドアが開くとグッズ売り場があるんです(笑)

「EXIT THROUGH THE GIFT SHOP」

出口は売店を抜けた先です。


Youtubeに予告編があります。
興味がある方はどうぞ⇒EXIT THROUGH THE GIFT SHOP





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