映画アトミック・カフェの感想とダークツーリズムと空気
1年のうちで昼が1番ながくなる日の前日、つまりなんでもない日、
みなさんいかがお過ごしですか。
京都のゲストハウス、ジェイホッパーズ京都のかりー(しばた)です。
放射能の脅威はどうでもいいもの??
この前、アトミック・カフェという映画をみました。
1982年にアメリカで公開された核兵器に関するドミュメンタリーで、
米国政府が作った反共プロパガンダ映画やラジオ放送、広島・長崎への原爆投下、
ビキニ核実験の実際の映像などを編集してつなぎ合わせてあります。
ナレーションはありません。BGMはとてもポップな音楽です。
びっくりしたのが、「放射能の脅威はどうでもいいもの」として堂々と明言されていることです。
核実験が行われるビキニ環礁の人々に対しても、放射能の影響に関してはでたらめで曖昧な説明しかされていないし、子供向けの防衛フィルムの中でも、「ダック&カヴァー」というわかりやすい合言葉で机の下に隠れたらいいよ、なんて教えています。
えー信じられないー!と思いました。・・・が、なんか今の日本も似たような感じがしたりしなかったり・・・?
その時代特有の空気ってこわいな~と思いました。
アトミック・カフェ |
ダークツーリズムと時代の空気
話しは変わりますが、ダークツーリズムという旅のしかたがあります。
戦争の跡地とか災害の被災地といった場所を訪れ、人類の悲しみを継承する旅のことだそうです。
人気の高い(?!)ダークツーリズム的観光地はたとえば以下のようなところ。
- アウシュビッツ・ビルケナウ博物館(ポーランド)
- 虐殺記念館(カンボジア プノンペン近郊)
- 広島平和記念史料館(広島市)
- グラウンド・ゼロ(ニューヨーク)などなど
しかし、ダークツーリズムなんて言葉でカテゴライズされるとなんだか特別な旅っぽいですが、
古戦場や○○の墓みたいな場所は、19世紀くらいからすでに旅行の定番だったそうです。
わたしの実家からすぐ行ける「倶利伽羅古戦場」も、祖母お気に入りのお出かけスポットだし。
京都市は北区にある曹洞宗のお寺・源光庵は、迷いの窓と悟りの窓で有名ですが、
そこの本堂の天井板は、徳川家の家臣たちが1600年に伏見桃山城で集団自殺(自刀)した際に血だらけになった床板を移築したものです。
結構はっきりと足の跡とか見えます。結構ダークツーリズムです。
「主君に忠誠を誓って筋を通した うんぬんかんぬん」と説明書きには書いてあって、
そういう忠誠心・武士道には敬意を払わずにはいられないんですが、その一方で、
そうやって集団で自刀させてしまう当時の空気、
そしてそれを「よきもの」一辺倒の見方で未だに私たちに伝える空気、
みたいなのはなんだかこわいな~って少し思いました。
アトミック・カフェにしてもダークツーリズムにしても、
できれば目を背けていたいほど暗い歴史ですが、
「そういうこと」になってしまったのは一部の権力を持った人たちだけの責任ではなくて、そういう空気を作り出してしまった・止められなかった・流されてしまった
その他大勢の私たちのせいでもあるんじゃないか、
じゃあこれからそうならないようにするにはどうしたらいいのだろう、という、
自分たちを守るために知ることも大切なんじゃないかなーと思いました。
真面目か!
おしまい
ダークツーリズムについての詳しい記事:
コメント
その映画面白そうですな~
血天井、花近くの養源院にもある!
拝観料500円
いいださん 1分刻みに「まともになっちゃやだ」と言われると・・・。チリンチリーーン