Free Accommodation to Save Travel Funds

何年か前にモンゴルに行ったとき、ゲルという羊の毛とかでできた移動式テントで毎晩寝ていたのですが、テントの外で放し飼いにされている羊とかヤギが動く音を暗闇の中で聞いていると、まるでテントの壁を通り抜けてすぐ耳元に彼らがいるような錯覚に襲われて、しばらく不眠症になりました。
自然って素敵!と思いますが、実際、想像以上の大自然に抱かれてしまうと、素敵とかいって誉めそやす余裕なんてなくなって、あれちょっと怖いんじゃないの、と不安でいっぱいになります。

ジェイホッパーズ京都のしばたです。みなさんいかがお過ごしですか。

ちょうど1年前にイスラエル人の青年がジェイホッパーズで働いていました。このまえ、その彼に会いにイスラエルへ行きました(注:それだけが旅行の理由ではない)。

だから今回、死海で野宿しようと提案されたときも、「いいね」と快諾した反面、心の中では少しビビッていました。

死海はイスラエルとヨルダンの間にある塩湖(海ではない)で、世界で一番低い場所です。塩分濃度が高いために水に入ると浮きます。見てる分には面白いのですが、実は水がものすごく油っぽくて気持ち悪いです。あと、少しでも体に傷があると、信じられないくらいしみます。
なのでそのイスラエル青年・ヨニは、死海に入りたくないといっていたのですが、わたし一人でプカプカ浮いているのもなんかさみしいじゃん、と説得して無理やり一緒に浮いてもらいました。入ってみるとヨニが嫌がっていた理由を理解したので、5分くらいであがりました。


イスラエルはアウトドア大国で、けっこういろんな場所で気軽にキャンプができます。
わたしたちが行った死海のエン・ゲディという場所にもパブリック・ビーチがあり、誰でも無料でキャンプができます。
でもその日キャンプをしたのはわたしたち二人だけでした。

ヨニが持参したテントが小さすぎたので、そのまま外で寝ることにしました。
日没とともに風が吹き始め、あ~気持ちいいね~、あ、流れ星が見えたよ!と癒されていたのですが、しばらくするとそよ風が強風に、強風が突風に、突風が爆風になり、
「ヨニー!飛ばされちゃうよー!」
「寝袋が飛んでいかないようになんとしてでも横たわり続けるんだー!」
と、死海のふちで風と格闘した二人でした。

だんだん爆風にも慣れてきて、やっぱり星がきれいだねーこんな満天の星空の下で眠れるなんて幸せだなーと感慨さえ覚えうつらうつらしていると、視界の左端に赤く点滅する何かが見えました。飛行機にしてはえらく低空飛行だな、と思っていると、一瞬ののちにものすごい爆音と速さで目の前を通り過ぎていきました。
あまりの迫力に度肝を抜かれているわたしの横でヨニが突然起き上がり、
「F16!!!!!!!!」
と興奮しだしました。
すると再び同じ爆音と速さが目の前を通り過ぎていきました。
どうやら戦闘機らしいです。イスラエル軍が夜な夜な訓練をしているとのこと。



大自然に抱かれながら、あ~星がきれいだな~平和だな~とほっこりしていたところで、急にイスラエルという国の強烈な一面をみてすっかり目が覚めてしまいました。
兵役中は航空部隊にいたヨニは、一般人なのにも関わらず、音をきいただけで戦闘機の種類がわかるという事実にも衝撃をうけました。

こんな出来事にも懲りず、次の日もエイラットというリゾートタウンで宿代を節約するため再びビーチで野宿をした二人でした。
その浜辺からは対岸にあるヨルダンとサウジアラビアの街明かりが見えました。季節柄、たくさんのイスラエル人が同じように浜辺でキャンプをしていて、みんな同じように対岸の明かりを見つめている光景が印象に残りました。

また行きたいなと思いました。



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