京都の景観についてあれこれ


 ド派手な赤色に黄色いMのマーク、といえば、誰もが知っている世界企業「マクドナルド」のロゴマーク。

 食欲を増進させ自制心を低下させる赤色に、活力を与える黄色。シンプルかつ人々の視覚にダイレクトに訴えかけるそのデザインは、瞬く間に世界中に溢れかえり、まさにグローバル化の象徴そのものとなった。

 そんな世界のマクドナルドも、古都京都では様子が違う。

 京都名物のひとつに、「茶色いマクドナルド」なるものがある。
 真っ赤な赤を地味な茶色に塗り替えられたその看板は、外国人や修学旅行生の興味の的。さすがは世界企業、都市景観に理解を示す寛容さを持ち合わせているのか、はたまた京都市の景観条例がキビシすぎる故か・・・。



 2007年に施行された「新景観条例」。点滅式広告や屋上看板は市内全域で禁止、屋外広告物の面積・高さ・派手な色調を抑えるなどデザイン基準の見直しが図られ、世界遺産や主要な文化財の周囲(歴史遺産型地域)はさらに厳しい規制の対象となった。

 特殊かつオカネが絡む政策だけに、長い経過期間を置いていたが、来年8月末を過ぎると強制撤去の対象になるらしい。残り約1年となり、撤去や更新を促す低利融資制度を創設したり、現場の視察・指導にあたる職員も臨時雇用で増員したりと、京都市はいよいよ本腰を入れてきているようだ。(うちも人事じゃゴニョゴニョ)

 この規制を免れようと、ここ数年でビル内から窓越しに広告を表示する新しい手法が目立つようになった。ガラス1枚隔てることで「屋内広告」となり、規制の対象にはならない。条例に沿うよう事業者が知恵を絞った結果なのだが、はっきり言って景観がいいとは思えない…。これにも目をつけた京都市は、「景観に影響を及ぼす点で屋外広告と同じ」と規制強化の検討に乗り出す方針だとか。

 京都の景観保護にはもちろん賛成だが、正直「今更」感はある。広告の自由度が制限されることで事業者側に負担や不利益が生じることは明らか。これはもしかしたら「京都には出店せんとき」という京都的なメッセージなのかも(!?
 

 条例施行から6年が経過した今でも、市内広告物の約7割が未だに「違反」広告に当たるというのだから、市もかなり焦っているらしい。おエライさんたちは必死に考えて、規制するばかりではだめだろうと「優等生」をお手本として表彰することにした。

 今年度、屋外広告物部門として「京都景観賞」を受賞した優等生たちをちょっとだけご紹介しよう。


一保堂茶舗
日本茶専門店。東京・ニューヨークにも店舗がある。

所在地:中京区常盤木町 52(寺町通夷川下ル)
  

嶋臺(しまだい)ギャラリー
慶長13 年(1608年)に糸割符商として創業。現在は国の登録文化財。

所在地:中京区船屋町(御池通東洞院通西北角


亀末廣 
創業文化元年(1804年)の老舗和菓子店。

所在地:中京区車屋町 251(姉小路通烏丸東入)


FORTUNE GARDEN KYOTO
ノーベル化学賞を受賞された田中耕一さんで有名な島津製作所の旧本社ビル。

所在地:中京区河原町二条下ル一之船入町 386-2


打田漬物錦小路店
昭和15年創業。ほとんど全ての漬物が試食できる。


所在地:中京区錦小路通柳馬場西入


祇園佐川急便(祇園サービスセンター)
佐川急便は京都の企業ってご存知でした?マル飛が粋。


所在地:東山区祇園町南側 570 番地 189


喫茶室フランソア
日本で初めて登録有形文化財に登録された喫茶店。

所在地:下京区西木屋町通四条下ル船頭町184


イノダコーヒー三条支店
言わずと知れた京都の老舗喫茶チェーン。

 所在地:中京区三条通堺町東入ル桝屋町 69


サクラ堂歯科医院
こんな歯医者さんなら毎日行きたくなる・・・かも。

所在地:伏見区京町三丁目 198-1


 芸妓さんや舞妓さんが優雅に行き交う花街も、四条通りを隔ててそのすぐ北側に広がるネオン街も「祇園」だし、おしとやかな料理店が立ち並ぶ石畳の先斗町通りから一歩入ると、派手なオネーチャンたちが闊歩する木屋町通りだ。さらには少し足を伸ばすと鴨川の緩やかな流れがあり、視線を上げれば山が連なる。猿も猪も鹿もいる。外国人旅行者にとっては、まさにギャップ萌え。このカオスさがエキサイティングでクール!に映るらしい。

 土曜の夜、久々に京都の繁華街をぶらぶらしてみた。以前に比べて大幅に数は減ったのだろうけど、やはりまだ奇抜な看板やネオンは目に付く。確かに、「京都っぽさ」を追求するなら排除してしまったほうがいいのだろうが、京の街からネオンが消え去ってしまうのはなんとも寂しい気がする。モダンとトラディショナルが混在しているのもある意味で「京都っぽさ」なのではないかとも思う。

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